エネルギー環境教育支援プログラム
埼玉県 本庄市立本庄南小学校

身近な電気製品の使用電力量はどれくらい?
暑い夏、節電しながら快適に過ごす方法を考えよう

2011年7月14日(木)、埼玉県本庄市立本庄南小学校で5年生を対象に、NPO法人企業教育研究会・和田翔太さんによる、エネルギー環境教育「節電を科学しよう!」の授業が行われました。

なぜ節電をしなくてはいけないの?

連日、テレビや新聞で目にする「節電」への呼びかけ。大人だけでなく、子どもたちにとっても「節電」は、大きな関心事です。そんな子どもたちを前に、和田先生はまず、一枚の写真を紹介しました。
上空から街を撮影した夜景の写真。一部、真っ黒になっている地域があります。
「何の写真かわかるかな?」という和田先生の問いかけに、ちょっと考えながら、 「計画停電のときの写真!」と口々に答える子どもたち。
同小は、東日本大震災後の電力不足にともない、計画停電を実施した地域にあります。
「暗闇のなか、動くのが大変だったよ~!」
「勉強も遊びもできなくて困った!」
と、当時の不便な体験をそれぞれ振り返ります。
「あのときは、電気がない生活がどれだけ大変か実感したと思います。今年の夏、東京電力によると、供給できる電力の見込みは、5380万kW。予想される最大使用量に対して約620万kW足りません。電気が足りなくなると、また計画停電が実施される可能性があります。だから、節電が呼びかけられているんです」
img 和田先生の質問に、元気に手を挙げる児童たち

身の回りの電気製品は、どのくらい電力を使うの?

「みんなが電気を使いたいだけ使ったら、真夏のいちばん暑い時期に再び停電することになるかもしれない。そんなことにならないように、電気のことをもっと知ろう!」
和田先生の言葉にうなずく子どもたちの前に、自転車と電気製品が登場しました。
「自転車発電機を使って、身近な電気製品の電力使用量を体験してみましょう」
みんなで実験する電気製品は、 白熱灯、LEDライト、ラジカセ、扇風機、ドライヤー、冷蔵庫の6点。
「さあ、このなかで自転車発電機で動かすことができるのはどれかな?」
まわりの友だちと話し合って結果を予想し、さっそく実験開始です。
子どもたちがそれぞれ交代で自転車をこいで発電に挑戦!
結果は……すぐに動いたり、がんばってこげば動くなどの差はあるものの、ドライヤー以外は光らせたり動かすことができました。

「自転車は約70Wの発電をすることができます」と種明かしをする和田先生。
今回試した製品は、白熱灯が約40W、LEDライト約5W、ラジカセ約30W、扇風機約20W、冷蔵庫約68Wに対し、ドライヤーはなんと約1200W。
「ちなみに、家庭用の冷蔵庫は150~600W。そして、いちばん消費電力の多いエアコンは約800~1000Wです」
という大きな数字に、「えーっ」「そんなに多いの?」と思わず声を上げる子どもたち。
「エアコン、ドライヤー、冷蔵庫。これらに共通するのは、温度を上げたり下げたりすること。そういった電気製品はたくさんの電力が必要となります」

img 自転車発電でLEDライトが点灯!

エアコンを使わずに涼しくなるには?
「一日の電力使用量が多くなるのは、午前9時から午後8時まで。この時間にエアコンを使わなければ節電にはなりますが、体温が上がりすぎて熱中症になる危険があります。まず、エアコンを使わずに涼しくなるにはどんな方法があるかな?」
和田先生の質問に、 「うちわ!」「氷枕」「扇風機!」などの意見が出ます。
「うちわや扇風機の風にあたると、まわりの温度は同じなのに、涼しく感じるのはなぜかな?」
その疑問を解決するため、実験役の男の子に扇風機の風をあて、サーモグラフィを使って試してみました。
すると、温度の高いところが赤く映っているのに対し、風をあてている部分の温度が徐々に下がり、青に変化していくのがはっきりわかります。
「体のまわりにある、体温で温められた空気が吹き飛ばされたり、風にあたって汗が蒸発することで、体温が下がります」という先生の話に、みんなも納得の表情です。
img サーモグラフィで体温の変化を調べます

エアコンを節電しながら快適に過ごそう!
“風”を利用してじょうずに体温を下げる方法がわかったところで、今度は部屋での過ごし方がテーマです。
「エアコンの温度を26℃に設定したときと、28℃に設定して扇風機をいっしょに使ったとき、どちらが節電になるでしょう?」
26℃に設定した場合を表現したアニメーション映像を見ると、どうやら、エアコンの冷たい空気は部屋の下のほうに溜まり、上の部分は暑いままでなかなか全体の温度が下がらないようす。
「そこで、扇風機の出番です。28℃の設定でも、扇風機を使って冷たい空気を
部屋全体に循環させると、涼しく感じることができます。エアコンの設定温度を2℃下げると130W使用電力が減るのに対し、扇風機の使用電力は20Wなので、 こちらの方が節電になります。」

今日の授業を終えて、5年生の女子児童は「エアコンとか冷蔵庫とか、生活に欠かせない製品が思った以上にたくさん電力を使うことに驚きました。熱中症に気をつけながら節電をしていきたいです」、男子児童は「自転車の発電実験が楽しかった!これから家でエアコンを使うときは28℃設定にして、扇風機をいっしょに使いたいと思います」と、それぞれの感想や今後の節電に向けた思いを話していました。


指導案
ねらい ・今夏、節電の実施が求められていることをきっかけに、日頃使っている電気について興味をもつ。
・自転車を使った人力発電を体験し、電気製品による消費電力の違いを知る。
・節電に取り組むために、どんな工夫や方法があるのか考え、家庭での実践や学習につなげる。

時間 活動 準備物等 授業の様子
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1.電気が止まったら? 節電って何?

・計画停電の様子を見ながら、節電というキーワードを引き出す。

・なぜ、節電がもとめられているのか(一日の電力消費量の季節ごとの比較)

「みんなで節電作戦を考えよう!」

・PC(PowerPoint)

・プロジェクター

 
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2.電気を作って、電気製品を動かしてみよう

・自転車発電機を使い、家庭で使っている電気製品の電力消費量を体感する。
※自転車発電機の発電量(70W)
【動くもの】
白熱灯、LED電球、ラジカセ、扇風機、ミニ冷蔵庫
【動かないもの】
ドライヤー

・温度を上げたり下げたり(加熱・冷却)するものが特に電気を使うことを説明

・自転車発電機

・ライト(白熱灯、LED)、扇風機、ラジカセ、ドライヤー、ミニ冷蔵庫など

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3.熱と電気エネルギー

・日常で使用する電気製品の電力消費量を紹介。(エアコンの消費電力が大きいことをおさえる)

・節電のため、一日のピーク時対策が必要なことを説明する。

・PC(PowerPoint)
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4.効果的な節電方法は何か?

・電気エネルギーを使わずに、暑さ対策をするには、どうしたらいいかを実験をしながら学ぶ。  
「ヒトが涼しく感じるのはどんな時か考える」

・汗をかくことで涼しくなることを説明

・風がふくと涼しく感じるのはなぜか?

<実験>扇風機でどれくらい体温は下がるのか?     
ヒトに扇風機で風を当てながらサーモグラフィで表面温度の変化を見る。

・真夏日には部屋の温度が上がり過ぎると熱中症になる危険があり、エアコンも使わざるを得ないことを説明。

・エアコンの冷却の仕組みを解説。2℃温度が違うと大きな節電(約130W)になる事を説明。

・扇風機と併用し、空気を対流させることで設定温度を上げても効果的な節電になることを説明。

・PC(PowerPoint)

・プロジェクター

・サーモグラフィ

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5.まとめ

・節電するためのポイントをまとめる。

・熱中症には十分に気をつけることを注意喚起する。

・PC(PowerPoint)

・感想用紙



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授業が終わって・・・
授業を受けた児童たちの感想


モデル授業案
 理科(2011年)
 理科(2010年)
 社会(2010年)
 総合(2010年)